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事例紹介
モバイルクリエイト株式会社様 事例
配車効率アップで、タクシーの待ち時間を短縮。
車載側「デジタル新視令Ⅳ」端末の開発
モバイルクリエイト株式会社様
新化を続けてきたタクシー自動配車システム「新視令」
モバイルクリエイトは、創業以来、タクシーを中心とした自動配車システムの開発、販売を行なっている。私たちがタクシーを呼ぶとき、配車センターへ電話をする。このとき、電話を受けたオペレータを支援するのが配車システムだ。モバイルクリエイトでは、時代に合わせ配車システム「新視令」を進化させていたという。
中野 「最初は、お客様の電話番号をナンバーディスプレイで取得して、それを電話帳データと照合して、住所を割り出し、無線による配車を行なっていました。しかし、住所がわかるなら地図も搭載すれば、より直感的になるのではないか。さらには、GPSによっておのおのの車両がどこにいるのかも把握できるようになり、配車システムは進化してきたのです」
タクシー無線がデジタル化したことにより、メータの情報を配車センターに送ることも可能になった。これにより、どのタクシーがいま空車かといったことも把握できる。また、配車する場所の一番近いタクシーを選ぶのではなく、経路を検索し、道路上で最短距離にいる車両を自動的に選択するなど、配車システムはまさに「自動」に向けて高機能化している。
タクシー乗務員を支援する、車載側端末を開発
しかし、個別のタクシー側に対する連絡や場所の指示は、相変わらず無線の口頭で行なわれていた。
中野 「新視令の視覚的なデータをそのままタクシー側に送れないか。そうした構想が2年前ぐらいに立ち上がったのです。それが、今回開発した車載側の端末です」
車載装置は、タッチパネル式の液晶モニタ、本体から構成され、地図とメニューが表示される。そのため、一見すると市販のGPSにも見えるが、ひとたびセンターからの配車の指示を受けると、顧客名称や住所などを表示。地図は、自動的に縮尺が変更され、現在の位置から顧客の場所への道順が表示されるようになっている。
もちろん、乗務員はオペレータと無線で会話をする必要はない。タッチパネルで「了解」を押せば、連絡は完了だ。配車システムがオペレータを支援するものであるとすれば、車載装置は、まさに乗務員を支援するシステムなのだ。
汎用マザーボード+独自回路で端末を構成
新視令からの指令を受信する、車載端末。端末本体は、20センチほどの横長の筐体を採用し、8センチほどの高さがある。これを、車種にもよるが、タクシーのダッシュボード奧に設置する。
実は、この本体、ほとんどパソコンなのだという。
中野 「マザーボードは、産業用の汎用のものを選択しました。ただし、BIOSなどを含めてカスタマイズして納品してもらっています。CPUは、超低電圧版のセレロン 400MHzを搭載。記憶媒体にCFカードを使い、駆動部はファン以外がありません」
筐体内は2層になっており、電源をコントロールする基板も搭載。車の電源は不安定で、電圧があるのに電流が取れなかったり、逆に電流はあるのに電圧が低すぎることも多い。このため、5V駆動のマザーボードを採用し、安定化回路を内蔵。降圧して安定化を実現している。また、端末本体は、デジタル無線機と料金メータ連動用のインターフェイスを備える。
中野 「メータとの連動は、タクシーが空車かどうかなどのステータスを得るために必要です。ただ、メータを交換してくださいではイニシャルコストが高くなりますから、既存のメーターと接続できるように、ハードウェアで吸収するシステムを採用しています」
車載端末は、こうしたハードの上にWindows XPEを搭載し、その上のアプリケーションで動作している。
開発期間の短縮のため Windows XPE を採用
ところで、Windows XPEを採用した理由は何だろうか。Windows CEという選択肢はなかったのだろうか?
中野 「確かにそういう選択肢もありました。ただ、Windows CEを使ったパネルコンピュータをつくった実績があるのですが、短期間でのアプリケーションの開発が難しい。お客様のニーズにリアルタイムに応えることができず、なかなか製品を市場に投入できない、という経緯がありました。ですから、今回もCE6.0も検討の対象に含め、ユニダックスさんにご相談したのです」
本田 「最終的に、リアルタイムでの開発のスピードアップや、誰でも開発に加われること、開発環境が載せられるということなどを考慮して、最終的にWindows XPEを採用することにしました」
そこまで開発時間の短縮にこだわる理由は何なのだろうか。
応用戦略の意味もあった、XPEの採用
開発のスピードアップのために、あえてWindows XPEを採用した車載端末。そこまでスピードを求めた理由は何だったのか。
中野 「ほとんどはお客様の要望ですね。そもそも、商品化の以前に、本当に市場はあるのだろうかと迷っていた部分もあるんですが、お客様のほうが積極的で、背中を押された部分もあります」
今回の車載端末は、同社の2号機に当たる。1号機が完成してから、2号機ができあがるまで、期間は10カ月程度だったという。
本田 「実は、お客様の要望によって、納入する端末をカスタマイズしたり、機能強化を施すことが多いのです」
パッケージとは異なり、カスタマイズ納入の場合、納期は開発時間との戦いになる。また、今後大手企業が市場に参入してきたときのことを考えると、小回りのきくカスタマイズは大きな武器になるという。そこで同社がとった戦略が、Windows XPEの採用による、開発期間の短縮だ。同時に、XPEの搭載で、端末に「のりしろ」を設けられる。さまざまな応用に応えられる端末という要件からも、 XPEが必要だったというわけである。
バランスのチューンが難しいアプリの開発
実際の開発には、ハードの設計に3〜4人、ソフトにやはり3〜4人が携わったという。
開発に関して、苦労した点を聞いた。
中野 「XPE自体の構築に多少手間取りました。ただ、これはユニダックスさんに個別のセミナーを開いてもらったり、メールでの細かいやりとり、サポートがあって、解決。密接にご協力いただきました」
本田 「アプリ面では、バランスが難しかった。というのも、今までは、指令側から無線を受けていたのですが、今回は、タクシーのステータスなどの膨大な情報を、端末側からセンターに送るようになりました。このとき、画面と連動しつつ、大量のデータをセンターに送るのが大変でした。個々のアプリケーションも、あらゆる機能を満載してつくっていくと、CPUやメモリーといったリソースをかなり消費してしまいます。高機能かつスムーズな動作というバランスを取るのが大変でした」
そうしてでき上がった車載端末。
実証テストを経て、実際の販売へ
実証テストでは、地元のタクシー会社に協力を求めた。これには、開発以上に苦労したという。
中野 「実際に営業しているタクシーに、システムを搭載するわけですから、いろいろとご迷惑をかけたと思います。たとえば、データが来ない、間違った位置が表示される、現地に着いたらお客様がいない。そんなことになると、タクシー会社さんの評判にもかかわります」
本田 「無線機を使いますし、規格はあるんですが、実際に電波を飛ばしてデータを載せてみないと、わからないこともたくさんあるんです」
そうした苦労を経て、車載端末は現在700台以上がタクシー会社に納入されているという。
本田 「電話を入れた段階で自分の住所などがすべてわかっているんですよ。自分でもタクシーを呼ぶことがあるんですが、搭載したタクシーだとうれしいですね」
今後の車載システムと、応用範囲の展開
気になる今後の展開だが、すでに数社のタクシー会社が車載端末に興味を持ち、さまざまなリクエストが来てるという。また、アナログのタクシー無線の停波が目前に来ており、無線機の更新に合わせて、導入したいという会社も多いという。さらに、同社では、車載システムをFeliCaに対応させる予定で、すでに試作を開始している。
中野 「九州では、まだタクシーの決済というのは進んでいなんです。大手メーカーさんはすでに進めていると聞いていますが、そこにカスタマイズ力で参入し、来年の4月ごろには展開していきたいと思っています」
小野 「営業的には、ほかのタクシー会社へ展開できれると期待しています。さらに、決済システムがつけば、さらに普及が加速すると思いますので、今回は魅力的な端末ができたと満足です」
同社はすでに、小型船舶向けの緊急通報システムや、トラックの位置情報システムなどを手がけている。今後は、つちかった技術の応用範囲をさらに広げていきたいという。
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