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エンジニアコラム
世間によくあるWindows CEに対する疑問
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高根 英哉 さん [ コムラッド 代表取締役・マイクロソフト認定MVP ]
第3回:Windows CEの情報が少ない?
Windows CE開発はリスクが高いと考える人の中に開発情報が少ないということを理由にあげる人がいます。確かに書籍を検索しても、Linuxなどに比較して圧倒的に少なく、この差がシェアーの差そのものだと言い切る人も少なくありません。しかし、OSの性格(位置づけ?)を考えると至極当然の違いであり、さほど心配することではないことがわかります。
Windows CEの開発本として有名なものに、私も参加させていただいた『Windows Embedded CE 6.0組み込みOS構築技法入門』がありますが、amazonで「和書」「Windows CE」で検索をかけると、この本を含めて20冊しか出てきません。ところが、「和書」「Linux」で検索をかけると、なんと1464冊という驚異の数字が出てきます。当然、Linuxは、Serverでも、デスクトップPCでも、組み込みでも含まれますから、同一条件というには無理がありますが、それでも情報量の違いは一目瞭然です。また、ネットでコミュニティの検索をかけると、Linuxは多くの草の根コミュニティが存在し、活発に意見交換されていますが、Windows CEにそこまでの期待をすることはできません。しかし、よく考えるとこのことはOSの性格の差によるものであり、情報量にそう大きな差はないことがわかります。
Linux は、皆さんもよくご存じのようにオープンソースを基本としています。特定の誰かが責任を持って作り上げるのではなく、みんなで積み上げ、進化させていくことがLinuxの最大の特徴だと言えます。ゆえにGPLのように情報の隠ぺいを嫌うアグリーメントも存在し、開発した成果物は常にみんなの財産になるように誘導しています。この特徴でわかるように、Linuxはコミュニティこそが活動の拠点であり、この場での情報交換なしに進化させることはできません。つまり、主は誰かというと、使う人みんなということになるわけです。
さて、このことをWindows CEに当てはめてみると、主は間違いなくマイクロソフトということになり、コミュニティも主であるマイクロソフトが提供しているものが一番確実になります。情報提供においても、MSDNを熟読していただければ、その情報量の多さに驚くはずです。使用方法からTIPSに至るまで、OS開発ベンダが直接、大量の正確な情報を掲載しています。そして、このために、マイクロソフトは小国の国家予算並みの開発費を投入しているわけです。
もうおわかりでしょう。Linuxなどのオープンソース文化では、互いの情報交換こそが重要であり、進化はコミュニティ中心であるため、情報は多様化され、膨大な情報の中から、自分に適切な情報を見極める能力が要求されます。しかし、Windows CEの場合、市場の声を反映しているとはいえ、最終的な進化を決めているのはマイクロソフトであり、それに従った情報も、マイクロソフト自身が提供しています。ゆえに、量そのものはLinuxに追いつかなくても、情報は最初から正確性が保たれます。
ここで、どちらの進化が正しいという議論をしているわけではありません。今、理解していただきたいことは、OSの性格上、進化の質が異なるので、当然、情報の発信方法も異なるわけで、別にどちらかの情報が特段に少なかったり、わかりにくいわけではないということです。
そして、上記のことからもう一つ見えてくることがあります。それはWindows CEは進化を決めるのがマイクロソフトである以上、マイクロソフトが想定している用途以外での適用はやはりリスクが高くなるということです。PDA、カーナビ、プロジェクタ、ハンディーターミナル、KIOSK端末などなど、マイクロソフトが想定している用途は多数あります。これからもその想定は増えていくことでしょう。しかし、例えば、ルータや無線LANのアクセスポイントなど、おそらくマイクロソフトがWindows CEの用途として期待していない分野で適用する場合、不可能とは言いませんが、情報に乏しく、多分な苦労を強いられることになるでしょう。
Windows CEで確実に情報を掴むためには、マイクロソフトのシナリオに沿った開発を行うことが重要ということになります。
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