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町井 和美 さん [ 株式会社マイクロネット テクニカルマネージャ ]
第3回:INtimeの歴史と成長
インテルアーキテクチャ(IA)と、マイクロソフトWindowsと、INtime RTOSは互いに恩恵を与え合う、素晴らしい関係にあります。今回はINtime成長の軌跡をたどります。
■INtimeの誕生
INtimeの前身は米国Intel社で開発された32ビットRTOS「iRMXⅢ」にあります。Intel自身によって最適化されたリアルタイムOSです。iRMXⅢはVM86モードを応用して、当時主流のMS-DOS、Windows 3.1を最低優先度リアルタイムタスクとして動作させる能力を持っていました。この当時から、もうひとつのOSを1つのCPU内に動作・連携させる技術が確立されていたわけです。1990年台後半になると、32ビットマルチスレッドを持つWindows NT 4.0が登場し、これに対応したRTOSがINtimeです。
■IAとINtimeの成長
その後、Windows 2000、Windows XPへと成長を遂げて、PCは爆発的に普及します。INtimeはWindows全体をカプセル化して内包する構造であるためにWindowsへ改良を加える必要がなく、スムーズに新しいWindowsバージョンへの対応を進めました。IAも標準機能のチップセット化によって、性能と信頼性が高まり、電力管理(ACPI)、PCIバス、APIC(Advanced Programmable Interrupt Controller)などの機能拡張が行われました。IAは上位互換を持って拡張されるので、Windowsをはじめ、INtimeやそのアプリケーションの動作が保証され続ける、世界一恵まれたプラットフォームです。
■INtimeの開発環境と成長
Windowsの成長に伴ってマイクロソフトの開発環境が整備され、Visual Studioは世界中で使われる統合開発環境になりました。iRMXⅢではIntel Cコンパイラで開発を行っていましたが、初期のINtimeからはVisual Studioをサポートしました。この時点では単にエディタ・コンパイラとして使用するもので、リアルタイムアプリケーションに専用デバッガが必要でした。その後マイクロソフト社の協力もあり、INtimeアプリケーションの開発は、新規開発ウィザードから、デバッグ実行に至るまで、すべてVisual Studioで効率よく行える完全統合が実現されました。現在ではVisual Studio 2008にも対応し、割込み処理のデバッグ実行までサポートされています。
■マルチコア対応
今日までのINtimeが経験した大きなハードウェアの変化に、マルチコアプロセッサの登場があります。決して互換性に問題があったわけではありません、可能性が更に広がったのです。INtimeはIntel社の協力によって、マルチコアに対応する特別な機能拡張を行いました。「専有モード」という動作モードを実装したことです。専有モードはWindowsが使用するコアと、INtimeが使用するコアを分離することで、2つのOSの完全な並列動作機能を実現します。この構成は、各OSがネイティブコードで実行され、実ハードウェアデバイスを直接アクセスする点で、プラットフォーム仮想化技術とも異なる、OS多重化技術でもあります。INtimeの専有モードはWindowsにDSPのような高速処理の実現や、超高速なフィールドバスの実現など、さらに大きな可能性を与えています。
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