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エンジニアコラム
組込み開発、直面する課題とその克服法
エンジニア・コラム
大場 孝仁 さん [ 横河ディジタルコンピュータ株式会社 エンベデッドOS技術グループ ]
第2回:Windows Embedded CE製品の開発現場と課題
前回は、一般的な組込み製品開発の特徴と問題点、Windows CEを採用することにより得られる様々なメリットについて説明しました。今回は、そのメリットを得る上で忘れてはならない注意点について説明します。
(1) 「デバッグ環境(Platform Builder)」の活用
Platform Builderの持つ、強力なデバッグ機能やツール群を生かすためには、Platform Builderとターゲットを接続する環境が必要になります。
Platform Builderとターゲットは、イーサネット、シリアル、USBなどにより接続しますが、その中でも、速度的な問題、手軽さからイーサネットが使用されるのが一般的です。
しかし、最終製品のデバッグでは、デバッグポートの制限や動作タイミングの遅延などから、デバッグに使用できるツールが限られるために、様々な工夫が求められます。
(2) 「豊富なWindowsエンジニア」に対する注意点
組込み機器では、ある程度のマシンスペックを前提としたデスクトップWindows向けソフトウェア開発とは異なり、限られたリソースでの組込みソフトウェア開発の知識、ノウハウが要求されます。
OSやドライバの開発には、H/Wのアクセスタイミングやレスポンスなど、システム全体を考慮したCPU使用率、スレッド優先度などのシステムリソース配分を把握して適切な設計を行う技量が求められます。
(3) 「ミドルウェアコンポーネントの充実」に対する注意点
Windows CEでは、通信サービス、セキュリティ認証、デジタル著作権管理など、最新のミドルウェアコンポーネントが標準、又はサードベンダから提供されており、容易にOSに組込むことができる反面、これらのミドルウェアの本来の機能、用途を熟知し、それを活用できるスキルが必要になります。
また、場合によっては、ブラックボックス化されたそのミドルウェア内部を解析するのに多くの時間を費やすことがあります。
(4) 「多機能化の実現」に対する注意点
ユーザニーズの広がりや利便性、他社製品との差別化などの追求により、マルチメディア機能や、従来複数の装置で行っていた機能を一台で実現させる等、高度な要求レベルをクリアする必要があります。
そのために、ハードウェアの選別からソフトウェアのパフォーマンスまで含め、予め十分な検証と設計を行う必要があります。
(5) 「モバイル製品の開発」に対する注意点
バッテリーで運用する製品、いわゆるモバイル製品を開発する場合には、更に高度で複雑な電源制御(パワーマネジメント)が必要不可欠になります。また、長時間の連続運用が求められるため、メモリリークやハングアップなど、実運用でしか発生しない障害や、ごく稀にしか再現しない障害が発生してしまうことがあります。
これらの注意点は、個別に扱うのではなく総合的に考えなければならない場合がほとんどで、昔の単機能、低スペックで全体が見渡せた頃の開発と比べて複雑化しており、問題の発見、解決に要する時間は長期化しています。
このため、開発時のデバッグ方法から製品化後の障害対応までを考慮した設計を行うことが重要です。
このような状況の中でどのようなデバッグ手法が求められているのか、次回より実際に起きやすい障害を例に、具体的なツールを用いたデバッグ手法について解説していきたいと思います。
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